「ぼくのお日さま」みずみずしく希望のある恋愛物語

「ぼくのお日さま」の一場面(ⓒ2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS)

 雪積もる田舎町を舞台に、フィギュアスケートを通して親しくなる少年と少女、コーチの男性の触れ合いを描いたドラマ。
 小学6年生のタクヤ(越山敬達(こしやま・けいたつ))は吃音(きつおん)がある少年。苦手なアイスホッケーを終えた彼は、リンクでフィギュアの練習をする少女、さくら(中西希亜良(きあら))の姿を見かける。華麗に舞う姿に心を奪われ、見よう見まねで1人、フィギュアの練習を始めるタクヤ。その姿を偶然目にしたさくらのコーチ、荒川(池松壮亮)は、スケート靴を貸し与え、彼を指導するようになる。タクヤの恋心を察した荒川は彼女と2人でアイスダンスをしてみてはどうかと提案するのだが…。
 少年が少女に恋をして成長を遂げていく、みずみずしく希望のある恋愛物語でありながら、それを見守る荒川の恋や人生をちょっとビターに描き出す。フィギュア経験のある越山と、選手として大会にも出場する中西が見せるアイスダンスの練習シーンは見どころ。競技の上達に合わせて2人の距離が縮まっていく様子を丁寧に映し出している。
 登場人物の持ち物や、作中流れる1960年代に活躍したゾンビーズの楽曲など、どこか懐かしい雰囲気も特徴的。ロケ地となった北海道の風景と共に、優しくも厳しいストーリーがじんわりと心に響く。

 シネマ5で11月9日(土)~15日(金)の午後0時半。9、10、13、14日は同5時25分も上映。

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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