日田市で12日から5年ぶり小鹿田焼民陶祭 大雨から復旧「被災の能登にもエールを」

5年ぶりの民陶祭に出品する水差しを手にする坂本浩二副理事長=日田市源栄町の小鹿田焼の里

 【日田】5年ぶりとなる「第57回小鹿田(おんた)焼民陶祭」が12、13の両日、日田市源栄(もとえ)町の小鹿田焼の里である。皿や茶わんなど約2万点が並ぶ予定。窯元は登り窯で焼き上げた多様な器を取り出すなど、久しぶりの陶器市に向けて準備を進めている。
 小鹿田焼は国指定重要無形文化財。小鹿田焼の里には里山を流れる小川の水力を使って陶土を砕く唐臼や、まきで焼き上げる登り窯など「日本の原風景」が残り、多くのファンが訪れる。
 民陶祭は、窯元でつくる小鹿田焼協同組合(坂本工理事長、9軒)が毎年秋に続けてきた恒例行事。2017年の福岡・大分豪雨で唐臼が壊れるなどして中止となり、復旧後の19年に開催にこぎ着けたものの、その後はコロナ禍や大雨で被災し中止が続いていた。
 昨年7月の大雨で損壊した唐臼39基は、約1年で全て復旧した。今年の民陶祭に向けた器の窯出し作業では陶工らが一点一点焼き上がり具合を確認し、丁寧に取り出した。
 同組合の坂本浩二副理事長(55)は「災害があっても里の姿は変わらない。民陶祭を開くことで、能登半島で被災した輪島塗の職人にもエールを送りたい」と話している。
 両日とも開催は午前9時~午後5時。福岡県側から里につながる市道は復旧工事中で通行が困難なため、主催者は迂回(うかい)路の利用を呼びかけている。
 問い合わせは小鹿田焼陶芸館(0973-29-2020)。

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 県内で活躍する刀鍛冶の平清明さんと房興さんの日本刀が15日まで、日田市源栄町の小鹿田焼陶芸館に展示される。小鹿田焼の里の土を使って刀文を付けた刀や短刀計3点が並ぶ。開館は午前9時~午後5時。

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