「破墓/パミョ」前半と後半で異なる怖さ

「破墓/パミョ」の一場面(COPYRIGHT ⓒ 2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.)

 舞台は韓国、山中にひっそりと造られた墓に秘められた謎を巡って繰り広げられるサスペンススリラー。本国で1200万人の動員を記録したヒット作。
 先祖供養や悪魔払いなどをする巫堂(ムーダン)のファリムとボンギルは、富豪のジヨンから「兄の死後、自分や子どもに不可解な現象が起こる」と相談を受ける。ファリムは「先祖にとって、墓の居心地が悪いために暴れてしまい、一族の跡継ぎにとりついている」と判断。墓地に適した土地を探す風水師のサンドク、改葬を仕切る葬儀師のヨングンを仲間に引き入れて、事態の解決に当たる。
 祖先の墓は、風水の観点から良くない場所にあり、墓碑には名前が書かれていない。ジヨンは「ひつぎを開けず、清めることもせず、そのまま火葬してほしい」と注文。おはらいと改葬を同時にすることになるのだが…。
 前半と後半で異なる「怖さ」を体感できる一作。前半は怪奇現象に恐怖を覚えるホラーの要素が強い展開。後半は墓に隠された強大な「呪い」に立ち向かうヒロイックな展開になっていく。さりげなく異形の存在を登場させるなど、怖さを引き立たせるための演出も秀逸。先祖の墓の前での祈とうシーンはビジュアル、サウンド共に迫力たっぷり。
 韓国独特の陰謀論なども盛り込まれているので、くせの強さを感じるものの、背筋が凍ること請け合いだ。

 シネマ5で19日(土)~25日(金)の午前10時、午後3時15分、同8時10分。(この日程以外も上映あり)

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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