【宇佐】立命館大と立命館アジア太平洋大(APU、別府市)が協力して、宇佐市安心院町の観光振興を考える共同研究プログラムを始めた。地域課題の解決を目的に実践研究する取り組みの一環。学生は現地視察で見聞きした内容を基に、知見やノウハウを生かした観光プランなどを検討、発表する。
立命館大のスポーツ健康科学部と食マネジメント学部、APUのサステイナビリティ観光学部が、学部や分野の垣根を越え連携。初回は9月下旬の3日間、3学部の学生計12人が安心院町内の観光スポットや宿泊施設などを視察し、施設担当者らの説明に耳を傾けながら地域の現状や課題を調査した。
同町下毛の宿泊施設「グランピングキャビン安心院」では埜中正樹代表(49)が施設やサービスを紹介。利用する客層や、どのような使われ方をしているかなども説明した。埜中代表は「若い発想、外部の視点からの、枠にとらわれない提案を期待している」。
同町龍王にある「古民家BASE・龍王」では、地域活性化などをテーマに安心院でフィールドワークに取り組む大分大経済学部の学生7人と交流。同大がこれまで関わってきた古民家再生プロジェクトなどについて意見を交わした。
同プログラムは、年度末までに具体的な提案を発表することを目標にしている。立命館大スポーツ健康科学部の藤田聡教授(54)は「安心院の持つポテンシャルは高く、別府、由布院との近さも魅力。授業を超えた実践の場として、地元に還元できる提案や成果を出したい」と話した。