学習アドバイスのコーナーはQ&A方式でお届けしています。高校受験生向けは、能開センター大分本部(大分市)の三ツ股新吾講師が担当。受験生や保護者の質問に答えます。
■実力模試は学力を知り、当日のリハーサル
Q.これから入試まで、どんなテストがありますか。
A.学校では2学期の中間、期末の定期試験に加えて、3年生は実力模試が月1回程度あります。定期試験の出題範囲は、授業で扱った内容から、ある程度予測できます。結果は内申点に影響します。
実力模試の目的は主に二つあります。一つは、現状の学力を測ることです。自分の力を試し、志望校を考える材料になります。
もう一つは、入試当日のリハーサルです。問題を解く時間配分や休憩時間の過ごし方などを、本番のつもりでやってみましょう。
入試では各科目の合間に20分の休憩時間があり、学校の試験よりも少し長いです。トイレに行くなど身の回りのことをしてから、参考書やノートを見直して次の科目に備えます。前の科目でうまくいかなかった場合、引きずらないよう気持ちを切り替えることも大切です。
これとは別に、大分県内の中学3年生全員が受ける学力診断テストが11月中旬ごろにあります。保護者世代では「全県模試」と言われていました。志望校が同じ生徒の中での自分の順位が分かるため、非常に重要なテストといえます。
これからは蓄積してきた基礎知識を駆使し、多様な問題を解く実践力を養う時期です。入試の過去問題をたくさん解いて、応用力を身に付けましょう。
■試験結果に対して感情的にならないように
Q.親はどんなスタンスで見守ればよいでしょうか。
A.まずは、試験結果に対して感情的にならないことです。思ったよりも点が取れなかった場合、「次回頑張ろう」だけで終わらせないために、具体的にどうしたらいいのかをポジティブに考えて一緒に掘り下げてみましょう。言いたいことはぐっとこらえて、相づちを打ちながら子どもの話を聞いてください。
子どもは「(親に)否定されたくない」と考えてしまうと、どう言葉にしていいか分からないこともあります。親が問いかけをしたり、具体例を挙げて話を促せば解決するかもしれません。
家族間のコミュニケーションは、職場での他人とのやりとりほど気を使っていないものです。子ども相手では、なおさら言葉を慎重に選んで対話することが必要です。
子どもが言おうとしていることや、自分の考えを先回りして言わないことを意識してみてください。例えば、「それってこういうこと?」と聞き返してしまうと、それは本人の考えではなく、親の考えになってしまいます。
そうした場合は「そこをもっと詳しく聞きたい」と掘り下げるように誘導する。毎日、顔を合わせるわけですから、1回で全て話し切ってしまわなくてもいいのです。早く言わせようとせかさず、じっくり待ちましょう。本心を引き出すために、聞き上手になりましょう。