【中津】中津市は、災害時に開く避難所の入退所を円滑にする管理アプリの導入を進めている。専用フォームに家族やペットなどの情報を事前に登録しておく仕組みで、混乱が想定される避難時の受け付け事務や情報共有の効率化が期待できる。
市防災危機管理課によると、アプリは市が独自に開発。市民らに専用のフォームから事前に氏名や世帯員などの情報を登録してもらい、管理する。
避難所での受け付け手続きを簡略化できるほか、避難者数をリアルタイムで把握できるため市職員が定期的に市役所に報告する必要がなくなり、避難データの蓄積も可能となる。
8月から、市内最大規模の避難所となるダイハツ九州アリーナ(大貞、定員約1400人)で試行運用を開始。これまでに280世帯が登録しており、同下旬に県内に台風10号が上陸した際にも活用された。
避難してきた際、紙の受付票に氏名や住所などを書かずに済むため、市民から「スムーズに入れた」とおおむね好評だったという。
今後、主に避難所として開設される指定緊急避難所(市内52カ所)を中心に対応箇所を増やし、来年度以降、全域に広げる予定。
専用フォームは市ホームページなどに載せている。開発に携わった同課の安河内哲也主幹(40)は「業務の効率化と紙資源の節約にもなる。アプリをブラッシュアップしていき、円滑な避難所運営につなげたい」と話した。