デビュー戦というのは一生に一度しかない。プロ野球広島の新人投手・常広羽也斗が15日、その晴れ舞台を見事に勝利で飾った。大分舞鶴高出身。青山学院大からドラフト1位で広島に入団した常広のプロ初登板を、大分舞鶴高野球部OBたちが見守り、歓声を上げた。
スポーツファンが集う大分市中央町のアイリッシュパブ「THE HIVE(ハイブ)」の店舗奥ソファ席に安東修さん(46)、堀永治さん(55)、甲斐賢治さん(55)、佐藤伸樹さん(54)、寺嶋将司さん(53)が陣取った。マツダスタジアムでの広島―DeNA戦の生中継が店内モニターで流れる。スポーツは一人で見るより、仲間たちと見る方が断然盛り上がる。ましてや部活動の後輩のデビュー戦ともなればなおさらだ。店内には広島のユニホームを着た客や店員もおり「必勝常広」ムード全開だ。
常広は毎回、得点圏に走者を置いても、適時打を許さなかった。ピンチの一回2死二、三塁では、打者を直球で追い込み、フォークボールで見逃し三振に仕留めた。五回は連打と死球で2死満塁となったが、三ゴロを打たせてしのいだ。五回1失点で交代。広島は大量10点。DeNAに8点差を付けて勝利し、常広は白星デビューとなった。
OBらは立ち上がって喜びを爆発させた。甲斐さんは「大分舞鶴初のプロ野球選手のデビュー戦で、後輩が投げる姿に大いに勇気をもらいました」と興奮していた。
常広は入団が決まり、寮に入る前の昨年12月、大分合同新聞社を訪れ「数年後にチームの中心となれるよう、1年目から頑張りたい」と決意を述べていた。大分県民が応援している。これからの活躍が楽しみだ。
(下川宏樹)