【大分】栄養豊富なスーパーフードとして注目され、地球温暖化対策への貢献も期待される「モリンガ」を広めようと料理フェアが大分市を中心にした飲食店など20店で開かれている。18日まで。生産者らでつくる実行委員会は「まずはモリンガを知ってもらい、育てる仲間も増やしたい」と話している。
モリンガはインド原産のワサビノキ科の植物で東南アジアやアフリカでも食用にしている。食物繊維やタンパク質、ビタミン、ポリフェノール、アミノ酸など90種以上の栄養素をバランスよく含む。
実行委員長の上久保陽子さん(69)=同市寒田わかば台=は管理栄養士で看護師。環境や食糧問題に関心があり、2017年に自宅の庭で育て始めた。23年に「大分モリンガの会」を結成し、料理レシピや効能を紹介する本を仲間と出版している。
フェアは大分、別府、中津、豊後大野、佐伯各市のパン、ケーキ、イタリア料理店、居酒屋などが参加。豊後大野市犬飼町で1500本を栽培する田島靖久さん(71)らが提供する生葉や粉末をギョーザやコロッケに混ぜたり、そばに練り込んだりしたオリジナル料理が味わえる。
23日午前10時からは、大分市中央町の大分オーパでPRイベントを開催。実行委のメンバーが栄養成分や育て方などを紹介。モリンガを使った茶の試飲、コロッケやまんじゅうの販売、生葉の無料配布がある。
生育が早く、杉などに比べて二酸化炭素の吸収率が高いことから温暖化の抑制も期待が集まるスーパーフード。上久保さんは「食材として気軽に入手できるよう市民1人1本を育てるのを目標に普及に取り組みたい」と話している。問い合わせは実行委員の高橋賢一さん(090-9563-0613)。
参加店は次の通り。
【大分市】▽ヨーイドン▽モンチッチ▽くまさんち▽ルヴァンヴェール▽Sweeeeets▽丸一製菓▽Hitoyoshi▽まるみや▽七村酒店▽第二海源丸▽大分食楽よしたけ▽ながさき家▽ドラゴン餃子酒場▽厨房大▽ヌーヴェルキュイジーヌ▽トモクローバー大久保食堂【別府市】▽オットエセッテ大分【豊後大野市】▽アンティーク【中津市】▽鹿鳴館【佐伯市】▽たかはしのコロッケ
<メモ>
虫が寄りつかず農薬を使わずに栽培できるため、近年は日本でもモリンガの生産者がじわじわと増加。主に粉末や茶に加工して流通している。ほろ苦いが少量で栄養摂取ができ、食欲不振時や高齢者のフレイル(虚弱)予防にも最適という。