大分県産牛肉、来年から欧州輸出開始へ 国内消費が縮小する中、需要の取り込み図る

台湾の飲食店に並ぶ大分県産の牛肉。来年から欧州への輸出も始める=2023年

 県は来年から、県産牛肉の欧州輸出を始める。米国、台湾、香港向けが伸びており、日本食が人気の新たな市場を開拓する。国内消費が縮小する中、海外需要の取り込みは欠かせない。農林水産物全体の輸出額を10年間で大幅に増やす計画の達成に向け、関係機関と連携しながら「OITAの牛肉」を売り込んでいく。
 県産牛肉の2023年度輸出額は5億5849万円。本格輸出を始めた19年度の約1億円から5・6倍近く増えている。
 県おおいたブランド推進課によると、欧州は米国と並んで農産物の輸入基準が厳しい。県内からの輸出を担う県畜産公社(豊後大野市)の体制を本年度中に整え、専門機関の認定を取得する方針。
 欧州の飲食店では日本食が好まれ、富裕層に高級牛肉の需要がある。現地事情に詳しい日本貿易振興機構(ジェトロ)などと連携し、ニーズを把握して浸透を図る。
 農林水産物全体では23年度の輸出額は48億1686万円だった。県は新たに策定する新長期総合計画で、33年度に80億円まで増やす目標値を設定する。
 実現には輸出先や品目を多様化する必要がある。牛肉以外も幅広い産品を対象に、産地づくりと販路開拓の両面で支援していく。
 渕野勇農林水産部長は「担い手や産地の収益向上のため、輸出拡大が重要。海外の多様なニーズを逃さないよう取り組む」と述べた。
 11日の県議会で、太田正美氏(自民党)の一般質問に答えた。

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