学習アドバイスのコーナーはQ&A方式でお届けします。大学受験生向けは、英進館天神本館高等部本部(福岡市)の神田岳彦講師が、受験生や保護者の質問に答えます。
Q.勉強のやり直しは、どんな点を重視して取り組むのがいいでしょうか。
A.やり直しをすべき場面は二つあります。定期テスト前の授業の復習と、模試を受けた後です。3年の2学期以降は、特に模試のやり直しが重要になります。受験後1週間以内に取り組んでください。答案用紙が戻るまで待つ人もいますが、「ここで迷った」「ここが分からなかった」という記憶が薄れてしまうので、お勧めできません。
模範解答と解説を見て「分かった」という気持ちになるだけでは不十分です。次に同じような問題に出合った時、明確な判断基準でスパッと答えが書けるようになっていることが、やり直しのゴールです。
数学であれば解説を読み、計算の流れを確認します。なぜこの公式を使うのか、正確に覚えているかも重要です。書き写すだけでなく、公式の成り立ちから頭にたたき込みましょう。
どこが理解できていないのか、自分のことは自分にしか分かりません。「分からないところをたどっていったら時間が足りない」という人もいますが、それをしないと次に同じ問題が出た時に解き方を再現できません。やり直しをするところから、自分に必要な、自分だけのための勉強が始まるのです。
模試の受験中には、問題用紙に印やメモを残しておきましょう。考えた跡がたどれて、やり直しがスムーズにできます。例えば選択肢が五つある問題で、三つ消去できたけど残り二つで迷ったという時、迷った選択肢にも印をつけます。迷った理由も簡単にメモしておいて、やり直しの時に曖昧だった知識を確かめてください。
英語の場合、意味が分からない単語に印をつけたり、「どう訳せばいいか迷った」とメモしたりします。数学や理科は、計算の跡を残して、自分の考え方がどこで間違ったかをさかのぼれるようにします。記述式の場合も、問題用紙に下書きを残しておくとよいです。手も足も出なかったとしても、「この意味が分からなかった」などとメモしておきましょう。
授業のやり直しについては以前(7月)お伝えした通り、授業中、ノートに自分へ向けたメッセージを残しておいて、定期テスト前に見直すようにします。理科や社会といった科目は3年の2学期以降も教科書の内容を学ぶので、特に力を入れましょう。
一通り教科書の学習が終わった教科についても、入試に必要な科目の授業は大事にしてください。習ったのに分からない内容が出てきたら、やり直しが必要な部分です。
やり直しをする際は、まず自分で調べることが大事です。自分の手で教科書を開き、読み込んで覚えたことは定着しやすく、自信もつきます。調べても分からないことが出てきた時は、先生や友達に質問しましょう。