台風10号接近、大分県内の小売店など臨時休業相次ぐ ホテル旅館では週末の予約キャンセル増

臨時休業を告知する張り紙=29日、大分市府内町のトキハ本店

 台風10号の接近で、県内の大型小売店やスーパー、飲食店などでは29日、臨時休業を決めた店舗が相次いだ。営業した店には食料品や水などを求める客が詰めかけ、品薄になるケースも見られた。動きの遅い台風を懸念し、ホテル旅館では週末の予約キャンセルも増えている。30日も店を閉める所は多く、経済にも影響が広がりそうだ。
 当初は営業を予定していたトキハ(大分市)は29日、「朝の風雨が強く、お客さまや従業員の安全を優先した」と、本店、別府店、わさだタウンいずれも休みを決めた。ゆめタウンも別府店を休業し、中津店は午後2時で切り上げた。
 地場のスーパーや飲食店も軒並み対応を迫られた。マルミヤストア(佐伯市)とトキハインダストリー(大分市)、コープおおいた(同)は県内の全店舗で、ファミリーレストランのジョイフル(同)も40店以上で、それぞれ休業した。
 開いていた店には大勢の買い物客が訪れた。大分市元町のホームセンター「HIヒロセスーパーコンボ元町店」はコメや水、パンなどを求める人たちであふれた。午後にはほとんどの食料品が完売したという。
 土のう袋やポータブル電源などの防災用品も人気を集めている。中島圭祐店長(46)は「31日までには欠品しているものは補充される見込み」と語った。
 観光業への影響も出ている。別府市北浜の旅館「悠彩の宿 望海」(50室)は、書き入れ時の週末に入っていた予約およそ20件が取り消しになった。担当者は「この土日は客がほとんどいなくなりそう。かなりのダメージだ。停滞する台風が去るのを待つしかない」とため息を漏らした。
 由布市湯布院町の旅館も「週末の予約はほぼ白紙になった」と嘆いた。

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