夏休みが終わる前後は子どもたちの様子に注意を―。新学期が始まる8月下旬~9月初旬にかけて、学校に通うのがつらい児童生徒は悩みを抱えがちになる。不登校や自殺につながることを防ぐため関係機関は相談態勢を強化。「子どもの表情に異変がないか目を配ってほしい」と保護者や教員らに呼びかけている。
「子どもは大人に気を使う。家族や先生に悩みをこぼさず、我慢していることもある」。人権擁護委員の徳田貴美子さん(75)=別府市上田の湯町=は指摘する。
子どもたちが利用できる大分地方法務局(大分市荷揚町)の無料相談窓口(0120-007-110)で相談員を長年務め「SOS」に耳を傾けている。
27日までの1週間は土・日曜も対応する毎年の強化週間。いじめ、交流サイト(SNS)のトラブル、友人関係のいさかい、虐待、体罰―といった問題が深刻化しないよう相談に応じている。
法務局によると、2019~23年の5年間で、子どもたちから計45件の相談が寄せられた。徳田さんは「名前を名乗らなくてもいい。気軽に電話してほしい」と話す。
全国的に長期休暇明けの前後は、子どもの自殺が増える傾向にある。13年までの42年間に自殺した18歳以下の計1万8048人を内閣府が分析した結果、新学期初日の9月1日は131人で突出していた。
▽4月11日(99人)▽4月8日(95人)▽9月2日(94人)▽8月31日(92人)―と続き、新しい学期がスタートする前後は注意が必要になっている。
県教委によると、県内の小中・義務教育学校計364校のうち、8割の294校は今月26日に始業式を迎える。学校安全・安心支援課は「普段と比べて元気がなかったり、口数が少なかったりする様子があったら、子どもたちに声をかけてほしい」と話している。