貧困に苦しむ海外の人々の住居建築支援 APUの学生団体、現地での活動資金を募る

クラウドファンディングで協力を呼びかけるハビタットAPUの林武代表(左)ら=別府市

 【別府】貧困により劣悪な環境での生活を強いられる人々を救おうと、海外の現地を訪ねて住居の建築支援を続ける立命館アジア太平洋大(APU)の学生団体「ハビタットAPU」(60人)が、クラウドファンディング(CF)で活動資金を募っている。「極度に貧しい暮らしをしている人たちの現状を多くの人に知ってもらいたい」と願う。
 同団体は「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」を合言葉に、夏の長期休暇を利用して毎年、活動を続けている。今年は9月6日から16日まで、カンボジア・シェムリアップ州で現地の大工と協力しながら建築作業に当たる。
 活動は米国に拠点を置く国際NGO「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」のプロジェクトとして実施。建築費用などを含む本部への登録費(1人7万5千円)のほか渡航費などが必要になる。参加したくても経済的負担で断念せざるを得ない学生もいるため、CFで協力を呼びかけることにした。
 「ハビタットAPU」は2006年に設立。これまでにフィリピンやタイ、インドネシアなど10カ国で22回の活動を展開した。
 代表の林武さん(20)=アジア太平洋学部3年=は昨年9月にカンボジア・バタンバン州で2組の6人家族のために家を建てる作業に携わった。両家族の家は大雨によって屋内が浸水し、衛生状態がひどかったという。現地の人と一緒に、木材やレンガを使って強度の高い家を完成させた。
 林さんは「家が完成した時の家族の笑顔が忘れられない。安心して住む家がないと子どもたちも夢を持てないと思う。家1軒を建てることで世界の貧困問題が解決するわけではないが、活動を通して多くの人に現状を知らせ、何ができるのか考えてもらいたい」と話した。
 
<メモ>
 「ハビタットAPU」のクラウドファンディングはインターネットサイト「Syncable(シンカブル)」で9月1日まで実施。目標額は80万円。学生20人が現地で活動できるよう協力を求めている。

最新記事
別府タワーにカプセルホテルが7月にも開業へ 宇宙空間を演出、サウナやバー整備
別府市が大阪・関西万博にブース開設へ 竹細工や足湯など紹介し国内外に観光PR
別府市で人権講座 「盲目の噺屋」衛藤さんが自身の経験語る
インド政府の担当者が別府市で竹産業学ぶ 職業能力開発校と製竹現場を視察
別府市議会改革推進委が議員定数の検証開始 現行25人、次期改選に向け判断へ