7月は記録的な暑さだった。県内は最高気温35度以上の「猛暑日」が計23日と月の3分の2以上を占め、昨年の15日を大きく上回った。高気圧に覆われて晴れる日が多かったことに加え、熱を帯びた風が山から吹き下ろす「フェーン現象」が拍車をかけた。最高気温は豊後大野市犬飼町で39・2度、平均気温は大分市で28・9度(平年26・8度)に達し、それぞれ同地点での過去最高を更新した。
大分地方気象台によると、太平洋高気圧が強く張り出し、県内は高気圧に沿って南西から暖かい空気が流れ込みやすかった。例年は雨の多い7月上旬に高気圧が梅雨前線を押し上げ、晴れが続いたことも影響した。
今年は日田市や犬飼町など例年暑い場所に限らず、広い地域で気温が上がったのが特徴。猛暑日は大分市で17日、佐伯市宇目も16日あり、いずれも昨年7月の1日から異常に増えた。中津市や宇佐市院内町などを含め、県内15観測地点のうち9地点で過去最多の日数だった。
熱中症予防や暑さを和らげる商品の売り上げも伸びた。県内で23店舗を展開するトキハインダストリー(大分市)によると、スポーツ飲料は昨年7月と比べ2割増。「この暑さで、水分を取る意識がより高まっているのではないか」と広報担当者。
衣料品は冷感素材やメッシュ素材が人気で、女性用のステテコやルームパンツは2倍の売れ行きという。
気象庁は今月1日、日本の7月の平均気温は平年より2・16度高く、1898年の統計開始以降で最も高かったと明らかにした。8月の1カ月予報は、高気圧に覆われて晴れる日が多い見込み。南から暖かい空気も入りやすく、厳しい暑さが続きそう。