学習アドバイスのコーナーはQ&A方式でお届けします。大学受験生向けは、英進館天神本館高等部本部(福岡市)の神田岳彦講師が、受験生や保護者の質問に答えます。
Q.なかなか勉強する気になれません。どうしたらいいですか。計画倒れしない方法を教えてください。
■行動に移すことでやる気が湧く
A.人はやる気が出てから机に向かうと思われがちですが、実は真逆です。「頑張ろう」という気持ちは、行動に移すことで湧いてくることが、脳科学で明らかになっています。
自宅のベッドに寝転がって「このゲームが終わったら勉強を始める」と思っても、頭の中で考えているだけなので勉強につながりません。やる気がない時の特効薬は、ゲームをやめて机に向かう、テキストやノートを開くなど、何でもいいから行動することです。
集中力が続かない場合は、また勉強につながる行動を取るしかありません。机を離れてうろうろしている子どもを見かけたら、保護者は「何の勉強をしていたの?」「次は何をやるの?」などと声をかけてあげてください。再び机に向かうきっかけになります。
友達同士でも、互いに「これから何をするの?」などと声をかけ合うと、勉強する気持ちになるでしょう。
■「できないかな」と思っても欲張って
勉強の計画を立てる際は、学校や塾などの予定をメインに据え、そこから自分の勉強に充てられる時間を明確に割り出して、一日のスケジュールを組んでいきます。
まず「教科書の何ページから何ページまで、問題をもう一度解く」「○○大の2023年度入試の、英語の過去問題を解く」など、やりたいことを紙に書き出してください。「できないかな」と思っても、欲張った計画を立てましょう。今日、明日、あさってくらいまでで構いません。
大事なのは優先順位とバランスです。入試に必要な科目に沿って、優先順位をつけてください。苦手な科目には時間をかけましょう。英語や国語といった語学系は、少しずつでも毎日取り組むことを勧めます。
やりたい勉強が10あったとして、7番目で時間がなくなってもいいのです。残った8、9、10番を翌日の1、2、3番に据えれば、偏ったメニューにはなりません。
■区切りははっきりしすぎないように
夏休みは時間があるので、できることが増えます。3年生なら、志望校の入試の過去問題を最低3年分は解くように、予定を入れてほしい。時間はかかりますが、傾向が分かります。
習っていない問題が出てきたら、休み明けの授業を大事にしてください。習っているのに解けない問題は、自分の実力や、どんな勉強が必要かを教えてくれます。
計画には当然、休憩も必要です。食事や入浴などで一息入れる前に、後からやる予定の勉強に取りかかっておくのも、計画を実行に移すポイントです。
切りがいいところで休憩に入りたい気持ちは分かりますが、区切りがはっきりしすぎると「今日はここまででいいかな」と意欲が途切れがちです。数学の計算問題なら、休憩前に1問目だけ解いておくと、休憩後、続きに取り組みやすくなります。