「お母さんが一緒」パワフルな三姉妹に注目

「お母さんが一緒」の一場面(ⓒ2024 松竹ブロードキャスティング)

 家族に対する面倒くさくって辛口な「本音」の向こう側に見え隠れするのは、ほのかな愛情―。親孝行のつもりで母親を旅行に連れてきた三姉妹。楽しいはずの旅が大げんかに発展していく様子をユーモアたっぷりに描いたホームドラマ。ペヤンヌマキ作・演出の同名舞台を「恋人たち」の橋口亮輔が監督した。
 誕生日を迎えた母親と温泉旅館を訪れた三姉妹。だが宿に着くなり、長女の弥生(江口のりこ)と次女の愛美(まなみ)(内田慈(ちか))は、母親の態度の悪さについて好き勝手に愚痴を言い合っている。そんな姉たちを横目に、黙って携帯を触っている三女の清美(古川琴音)。彼女は恋人タカヒロ(青山フォール勝ち)を宿に呼び寄せ、家族に紹介しようとしていたのだが…。
 容姿の面で妹たちに引け目を感じ母親の言う通りに生きてきた弥生、優等生の姉と比較されてきた愛美、姉2人を冷ややかに見ている清美―。お互いに感じてきたコンプレックスや不満が爆発し、ひとたびののしり合いを始めると、もう止まらない。
 ただし、ドロドロとした愛憎劇かといえば、さにあらず。コントのような展開もありながらも、しっかりとした家族愛も描き出す。気の置けない間柄だからこそのドタバタ劇は笑えてほんのり温かい。
 江口、内田、古川のパワフルな演技は見どころ。タカヒロ役、青山のとぼけた味わいも愛らしい。

 シネマ5で27日(土)~8月2日(金)の午前10時半、午後5時35分。(この日程以外も上映あり)

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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