【大分・由布】情報通信技術(ICT)を活用して、大分、由布両市の医療機関で服薬情報や診察結果などの情報を共有する「おおいた医療ネット」の運用が今月から始まった。希望する市民にカードを発行し、検査・診断結果、処方履歴などを病院や診療所、薬局などで共有・閲覧。よりよい医療サービスに役立てる。同様のネットワークを導入するのは臼杵、別府両市に続いて県内3カ所目。
おおいた医療ネットには5月31日現在で大分、由布両市の病院、診療所、薬局計136施設が参加。参加施設でカードを提示することで、初めて受診する医療機関でもこれまでの診療情報を閲覧することができ、同様の検査を2度受けなくても済むなどの利点がある。
同ネットを巡っては、大分市の呼びかけで、医療機関などでつくる研究会を2017年に設立。20年にはおおいた医療ネットワーク運営協議会を立ち上げ、本格的にシステム設計などの準備を始めた。当初は22年度の運用開始を目指していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で遅れた。
希望者が参加医療機関や大分市保健所などにある同意書を各医療機関などに提出すると後日、カードが郵送される。参加する医療機関やカードの申請方法などは同協議会のホームページから確認できる。
同協議会は、今後も参加医療・薬局を増やす方針。「この仕組みを活用することで、より的確で素早い治療が可能になる。多くの市民に登録してほしい」と呼びかけている。