学習アドバイスのコーナーはQ&A方式でお届けします。大学受験生向けは、英進館天神本館高等部本部(福岡市)の神田岳彦講師が、受験生や保護者の質問に答えます。
Q.どんな勉強法が自分に合っているのか分かりません。効率の良い方法はありますか。
■第三者に再現できるよう一生懸命
A.お勧めは何といっても授業を大事にすること。大事にするというのは、授業の内容を第三者に再現できるよう、一生懸命聞くということです。
「先生がこういう説明をした」とか、「間違いやすい二つの事柄をこう区別した」など、授業に参加していない人に、先生と同じように説明できるかどうかを意識しながらよく聞いてください。大変ですが、「つまらない、面白くない」と思って時間を過ごすよりも内容が身に付き、復習に充てる時間も減ります。
ノートは、テスト前に見直す自分に向けて、メッセージを残すつもりで取りましょう。先生の板書をそのまま書き留めることも大切ですが、自分にとって大事だと思った部分の文字を大きくしたり、印をつけたりして、自分のためのノートを作りましょう。テスト前の復習は、そのメッセージをたどっていけばいいのです。
予習すると「先生はこの後、こういう説明をするだろう」と予想しながら話が聞けるので、授業に集中できます。英文翻訳などは、時間の許す限り単語の意味などを調べましょう。分かりそうな箇所は自分の力で訳すなど、強弱をつけることも大事です。間違っていれば授業中に修正するとよいです。数学などの理系科目は、たくさん手を動かして計算してください。考えた跡を残すと、間違った箇所が分かります。
■目標に向かって、自主的な勉強を
高校の勉強は自主性が大事です。文系、理系の選択や志望する大学などによって、受験に必要な科目も配点も異なります。周りと同じ勉強をしていれば良かった中学生までとは違います。高校生はそれぞれ、自分の目標に向かって何を勉強する必要があるかを考え、行動に移しましょう。
先生も、小中学校までのように手取り足取り教えてくれることはなく、「ちゃんとできているかな」と生徒の自主性を見守るようになります。タブレット端末やスマートフォンで何でも検索できる時代です。自分で調べたり考えたりして自主的に取り組みましょう。
質問にある「効率の良い」という言葉の裏には、「何とか短い時間で終わらせたい」という気持ちがあるようです。でも効率を考える前に、どうやって勉強時間を捻出するかを考えてください。
寝るまでに15分しかないのか、1時間あるかで、できることが変わります。学校の休み時間や帰宅途中の電車内など、次の時間をどう過ごすかを意識すると、案外、時間が確保できるものです。