「密輸1970」スリリングな駆け引き

「密輸1970」の一場面(ⓒ 2023 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K. All Rights Reserved.)

 密輸ビジネスの利権を巡って繰り広げられる大乱戦を描いたクライムムービー。
 舞台は1970年代中頃の韓国の漁村、クンチョン。付近の化学工場から垂れ流される廃棄物で魚が死んでしまい、ジンスクたち海女の生活が脅かされていた。そんな時、海底に沈めた密輸品を引き揚げ、運ぶという仕事を請け負うことに。
 仕事を終え、大金を手にして喜ぶ海女たち。だが、次の依頼を受け、荷揚げに取りかかった時、税関の船が突然出現し、ジンスクを逮捕。共にいたはずの親友、チュンジャはその場から姿をくらませていた。村内では彼女が皆を裏切り、税関に通報していたのではといううわさが流れる。
 2年後、刑務所から出所し、ほそぼそと荷揚げの仕事を続けていたジンスク。彼女の前にあか抜けたファッションのチュンジャが現れ、新たなもうけ話を持ちかけるが…。
 ジンスクたちを取り仕切るチンピラのドリや、クンチョンで新しい密輸ルートを開拓しようとたくらむ密輸王クォン、不正の摘発に力を入れる税関係長ジャンチュン―。一癖も二癖もあるキャラクターたちの思惑が交差して、スリリングな駆け引きを繰り広げる。誰が、誰の味方なのか。目まぐるしく展開するストーリーは息つく暇を与えない。
 70年代の韓国音楽やファッションも楽しめ、エンターテインメント性の高い痛快な作品に仕上がっている。

 シネマ5bisで13日(土)~19日(金)の午前10時、午後2時45分、同7時半。(この日程以外も上映あり)

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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