【大学受験学習アドバイス】「非認知能力」は養うことができる

 学習アドバイスのコーナーはQ&A方式でお届けします。大学受験生向けは、英進館天神本館高等部本部(福岡市)の神田岳彦講師が、受験生や保護者の質問に答えます。

 Q.「非認知能力」という言葉をよく聞きますが、どのような能力ですか。大学受験で問われる能力なのでしょうか。高校生になってから養うことはできますか。

 A.知能指数(IQ)や学力など、テストの結果で点数化できるものを認知能力と言います。これに対し、点数で表せないものが非認知能力です。自信、自制心、忍耐力、やり抜く力、思いやり、協調性、コミュニケーション能力、目標に向かって努力する意欲や姿勢などのことです。
 個人や組織で何か成果を上げようとする場合に求められるので、受験はもちろん、社会に出た後も重要視されます。高校の先生にとっては、指定校推薦枠を誰に与えるかなどを考える際、一つの判断材料になるでしょう。

■学力を高めることで相乗的に

 非認知能力は養うことができます。その方法の一つが学力を高めること。認知能力を高めていくと相乗的に養われていきます。
 例えば暗記が必要なテストの場合、「スマートフォンを触りたい」「テレビを見たい」という気持ちを抑えて勉強時間を確保し、なかなか暗記できない時も「もう少しやってみよう」という気持ちが働く人は点数が上がります。その時に自制心や忍耐力、努力する意欲などが養われます。テストで良い点数を取ろうとする過程と、非認知能力を獲得する過程は一致しているのです。
 小中高生にとって最も影響力があるのは周りの子どもたちです。非認知能力が高い生徒が集まっている環境に身を置くと、個人の能力も伸びていきます。

■能力が高い環境に身を置くと

 学校や塾の教室全体の能力が高いと、その環境にいる生徒は勉強に向かいやすくなります。休み時間にクラスメートが次の科目の小テストに向けて勉強をしていたら、「私も」と意欲が湧いたり、相手を思いやって静かに過ごしたりするようになるでしょう。
 家庭で勉強する時も、「友達に負けたくない」「みんなこれくらいまで勉強してくるだろうから、もう少しやるまで終われない」という気持ちが出てきます。能力を高め合うことはとても大事です。
 非認知能力は目標を達成しようとする過程で伸びます。「志望校に合格する」という目標に向かって頑張る受験前は、個人でも教室でも飛躍的に伸びていきます。部活動などの課外活動に一生懸命取り組む過程でも同様です。部活動の強豪校の先生に話を聞くと、能力を高める雰囲気づくりを心がけているそうです。
 スポーツでも文化でも、それぞれの分野で優れた技能を発揮できる人は非認知能力が高いので、勉強でも力を発揮できる素養を持っています。高い能力を身に付けていれば、部活動と勉強は両立できるはずです。

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