柔道は国東が8年ぶりのアベック優勝を飾り、同じ会場で開かれる地元開催の全国高校総体(インターハイ)に弾みをつけた。就任わずか2カ月で頂点に導いた男女の大杉鴻燿監督は「よくやった。選手に素晴らしい景色を見せてもらった」と顔をほころばせた。
混戦になった女子決勝リーグは、昨年のインターハイ個人78キロ超級3位の礒崎心音(ことね)(3年)がけん引した。勝てば優勝が決まる柳ケ浦との一戦は、鮮やかな払い腰で一本。会場を沸かせる実力通りの柔道を披露した。
リーグ3戦全てで一本勝ちのエースに、大杉監督は「ポイントゲッターの役割を果たしてくれた」と称賛。勝利が求められる重圧に打ち勝った礒崎は「プレッシャーを力に変えて戦えた」と事もなげだった。
2位でもインターハイの出場権は得られたが、「男女で絶対に優勝する」という強い気持ちが頂点を引き寄せた。これまで柳ケ浦の後塵(こうじん)を拝していた男子の芦苅輝真主将(3年)は「先に女子が優勝を決めて、いい流れをつくってくれた」とチームが一つになった。
目標にたどり着き、戦いの場を九州、全国に移す。女子の阿南瑠璃夢(るりあ)主将(同)は「一戦ずつ大切に戦い、一つでも多く勝てるように準備したい」と力を込めた。
<柔道>
(レゾナック武道スポーツセンター)
=男子=
【予選リーグ】▽A組 柳ケ浦4―1豊府
(1)柳ケ浦(2)豊府
▽B組 東九州龍谷5―0日田林工、東九州龍谷4―0高田、日田林工3―2高田
(1)東九州龍谷(2)日田林工(3)高田
▽C組 国東3―1杵築、国東5―0東明、杵築5―0東明
(1)国東(2)杵築(3)東明
▽D組 鶴崎工3―1大分工、鶴崎工5―0中津東、大分工5―0中津東
(1)鶴崎工(2)大分工(3)中津東
【順位決定(決勝)リーグ選出トーナメント】▽決定戦 柳ケ浦5―0豊府、東九州龍谷3―0日田林工、国東(不戦勝)―大分工、鶴崎工(代表勝ち)1―1杵築
【順位決定(決勝)リーグ】▽リーグ 国東3―1柳ケ浦、柳ケ浦2―0鶴崎工、柳ケ浦3―0東九州龍谷、国東4―0鶴崎工、国東5―0東九州龍谷、東九州龍谷5―0鶴崎工
(1)国東(2)柳ケ浦(3)東九州龍谷(4)鶴崎工
=女子=
▽順位決定(決勝)リーグ進出決定戦 大分西(不戦勝)―高田、杵築2―1中津北
▽順位決定(決勝)リーグ 国東2―1柳ケ浦、杵築2―1柳ケ浦、柳ケ浦1―1大分西、国東2―0杵築、国東1―1大分西、大分西1―0杵築
(1)国東(2)大分西(3)杵築(4)柳ケ浦
(国東は男子が8年ぶり36回目、女子が7年ぶり4回目の優勝。男女とも2位までが全国、九州大会へ)
【ミニインタビュー】
柔道会場で娘の活躍を見守った大分市新川町の礒崎尚範さん(46) 緊張しながら見ていたが、落ち着いて自分の柔道をしてくれた。応援していた国東がアベック優勝してうれしい。地元開催のインターハイでも頑張ってほしい。