【高校受験学習アドバイス】個々の頑張りを評価する内申点

 学習アドバイスのコーナーはQ&A方式でお届けしています。高校受験生向けは、能開センター大分本部(大分市)の三ツ股新吾講師が担当。受験生や保護者の質問に答えます。

 Q 内申点とはどういうものですか。
 A 簡単に言うと、生徒の「勉強の点数」です。中学校が一人一人を260点満点で評価し、学級活動の状況などと併せて「調査書」に「評定」としてまとめ、それぞれの受験する高校に提出します。高校入試では学力検査とともに、合否判定の資料として使われます。
 受験教科の英語、数学、国語、理科、社会だけでなく、試験のない音楽、美術、保健体育、技術・家庭も内申点の対象です。通知表と同じ5段階の評価で、1、2年次は各教科とも最大で5点が付けられます。合計すると、2年次までで最大90点になります。
 3年次は5段階で評価された点数を2倍し、各10点満点となります。さらに、試験のない4教科に関しては1~3年の評定を合計したもの(最大20点、4教科で計80点)が「換算点」として追加されます。
 内申点は、通知表とおおむね同じなので、1、2年次は学年末、3年次は2学期末の通知表を見ればどれくらいの点なのかを把握する目安になります。
 県のホームページでは、学校関係者用の調査書フォーマットを見ることができます。どんなことが評価されるのかを知りたい場合は参考になると思います。
 Q 高い評価を得るにはどうしたらいいですか。
 A まずは学校の宿題を期限内に提出することです。特に1、2年生はそんなに量が多いわけでもないので、きちんとやっていなければ、家で勉強していないと判断されます。
 授業中の態度も大事です。しっかり先生の話を聞き、当てられたときにはきちんと答えるなど最低限のことはやっていきましょう。
 そして、中間テストや期末テストなどの定期試験で点を取ること。直前に慌てて勉強するのではなく、日頃から基礎学習などをコツコツ進める。テスト前はやり直しを重点的にしたり、不安な問題をもう一度解いてみたりするといった取り組みが大切です。
 勉強は、すべきことを後回しにせず、基礎を一つ一つ理解していかないと、だんだん遅れていきます。
 小学校のテストとは違い、中学生になると定期試験の範囲はかなり広くなります。入学後のテストで点が取れなければ、勉強のやり方を見直す必要があるかもしれません。
 Q 定期試験の成績が一番大きな要素になりますか。
 A テストの点数が高ければ内申点も必ずいい、というわけではありません。周りの人との競争ではなく、個々の頑張りを評価します。その生徒なりの点数や努力が見えれば、通知表の結果は良いはずです。
 勉強があまりできないからと諦めることはありません。1学期から2学期、3学期にどれだけ成長したかといった部分を、先生たちは見ています。
 Q 他にポイントは。
 A 生徒会長をしたり、部活動を頑張ったり、学校行事に積極的に参加すれば内申点が取れると考えている人が多いです。しかし、それが得点化されることはありません。内申点を良くしようとしてやりたくない部活動をする、何かしらの部活動をしておけばいい、というのはあまり得策とはいえません。
 Q 内申点は入試でどの程度のウエートを占めますか。
 A 大分県内のほとんどの高校は学力検査(入試)7、調査書(内申点)3の割合となっています。学校によっては6対4、5対5のケースもあります。
 入試での10点差くらいは、内申点次第でひっくり返ります。試験で10点多く取るのは大変なので、内申点はおろそかにできません。合否のボーダーラインに近い人ほど影響があるといえます。
 高校入試は中1から始まっています。3年かけてじっくり志望校を狙っていきましょう。

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