現役引退を表明したスピードスケート女子の高木美帆(31)=TOKIOインカラミ=は2月のミラノ・コルティナ冬季五輪で女子1500メートルの初制覇に集大成を懸けた。結果は6位で表彰台にも届かず、長年付き添うヨハン・デビット・コーチと約40秒間も抱き合い、珍しく号泣。翌日の記者会見で去就について「未定」と語っていたが、日本歴代最強のスケート人生に幕を下ろす。
中学時代から世界の第一線で戦い続け、レースに懸ける熱量と覚悟は並大抵ではなかった。2018年平昌大会から「これで最後と思って臨む」というスタイルを貫き、22年北京大会は「1500メートルで金メダルを取っていたら、そのままフェードアウトしていた可能性はあった」。現役続行の動機となり、世界記録を持つこだわりの種目で力を出し尽くした。
18年には短距離から長距離まで4種目で争う世界選手権で日本勢初となる総合優勝。王国オランダでオールラウンダーとしての地位を固めた思い出深い大会を最後の舞台に選んだ。唯一無二の足跡を残し、リンクに別れを告げる。