2―2の七回無死二、三塁、日大三の近藤はマウンド上で白い歯を見せた。2失点した六回に続く味方の失策で、広がったピンチ。「ミスがあると雰囲気が悪くなる。笑顔でいればみんなが乗ってくる」と動じない。豊橋中央の3、4番打者を打ち取り、無失点で切り抜けた。
風雨にさらされても「雨を味方に、という気持ちで」と意に介さなかった。八回を三者凡退に抑えて田中諒の勝ち越し本塁打を呼び込み、九回も簡単に3人で退けた。
100キロ台の球を織り交ぜ、128球で完投。「一球一球、魂や気合が乗り移っている子。チームを奮い立たせてくれる」と三木監督。秘めた闘志を静かに燃やすエースが勝利に導いた。