アフリカ東部ソマリア近海の海賊問題が再燃しつつある。各国の警戒活動で沈静化していたが、国際海事局(IMB)によると、今年は9月までに海賊事件が15件発生。背景には中東情勢の混乱があると指摘される。識者は、ピーク時の規模に戻る可能性は低いが「今後も散発的に事件が起きるだろう」とみる。
内戦が長年続いたソマリアの近海では2000年代後半以降、身代金目当てに外国船舶を襲う海賊事件が頻発。IMBによると最多だった11年には237件起きた。
欧州連合(EU)部隊や日本の海上自衛隊が船舶の護衛や警戒を行い、10年代半ばに大幅減少。だがパレスチナ自治区ガザで戦闘が始まった翌年の24年は8件に増えた。
ソマリアの対岸に位置するイエメンの親イラン武装組織フーシ派がガザ戦闘開始後、紅海やアデン湾で商船などを攻撃。今年9月には紅海の出入り口のバベルマンデブ海峡周辺を掌握した。欧米メディアによると、各国は部隊の一部を紅海に移動させ、ソマリアの海賊に対する監視態勢が手薄になった。(ナイロビ、東京共同)