南海トラフで巨大地震の発生可能性が高まったことを伝える「南海トラフ地震臨時情報」を国が出した後も、水の備蓄や家具の転倒防止など個人の防災行動の実施率はあまり変わらなかったとの調査結果を、関西大の林能成教授(地震防災)らのチームがまとめたことが5日、分かった。
細野豪志防災相は2日の防災庁発足を機に「緊急要請」を出し、国民に事前防災の徹底を促している。だが林教授は臨時情報に関しては政府の発信が曖昧だと指摘。「命を守るために優先すべき行動を具体的に示してほしい」と訴えた。
臨時情報は南海トラフ沿いでマグニチュード(M)6・8以上の地震が起きた際などが対象で、2024年8月と25年1月に出た。林教授らは23年7月~25年12月に静岡、愛知、大阪などの住民を対象とした5回の調査を実施。延べ約1万4千人の回答から18種類の対策について実施状況の推移を調べた。
その結果、「飲料水の備蓄」は53・8%から24年の臨時情報後に60%を超えたが、その後は57・2%に減った。