原発を持つ電力会社などでつくる原子力エネルギー協議会が、原発の運転停止を検討する海水温の基準について、業界共通の考え方をまとめる方針であることが30日、同協議会への取材で分かった。地球温暖化などにより海水温が近年上昇している中、事故やトラブル時に使う機器の一部が性能を発揮できなくなる可能性を踏まえた。本年度内をめどに取りまとめ、電力各社の基準設定につなげる。
国内の原発は全て海に面し、発電機につながるタービンを回した蒸気を水に戻す際や、非常用の発電機の冷却などに海水を使う。協議会によると、海水温が上がっても通常の運転に大きな支障はないが、安全対策設備の一部で性能が低下する恐れがある。
気象庁によると、海面水温は世界的に上昇傾向にあり、特に日本近海の上昇率は世界平均より大きい。
こうした中、東京電力は今年8月、国内で初めて柏崎刈羽原発(新潟県)に温度基準を導入したと公表した。海水温が34度に達したり、7日間の平均が32・9度を超えたりした場合、原子炉の停止を検討する。