政府が年内に改定する安全保障関連3文書の一つ国家安保戦略で、中国の対外姿勢や軍事動向について「最大の戦略的な挑戦」とする現行の表現を維持する案が浮上していることが分かった。敵対国に用いられる例が多い「脅威」は見送られる方向だ。複数の関係者が30日、明らかにした。日中関係が冷え込む一方、同盟国の米国は中国との「建設的戦略安定関係」の構築へと動いており、表現を強めれば外交上の摩擦を生みかねないとの判断があるとみられる。
政府は11月中旬にも始まる与党協議も踏まえ、最終決定する。
現行戦略は、中国の軍事力増強や他国への経済的威圧、東・南シナ海での一方的な現状変更の試みを挙げ「法の支配に基づく国際秩序を強化する上で、これまでにない最大の戦略的な挑戦だ」と記述。「差し迫った脅威」と位置付けた北朝鮮とは区別した。
今回の改定に当たり政府関係者は、中国が日本の最大の貿易相手国で、日本経済に密接に関わることも踏まえて検討する必要があると指摘。「『脅威』と書くのは難しい。現実的な対応になるだろう」と述べた。