堺市のベンチャー企業「オーガイホールディングス」が、各地を車で訪れ、3Dプリンターで入れ歯を作って提供する実証実験を続けている。歯科技工士の減少などが進み、過疎地では「入れ歯難民」も懸念される。最短1日で渡すことが可能で、社長の野田真一さん(42)は「どこに住んでいても手に入る環境を整えたい」と意気込む。
8月中旬、大阪府八尾市の住宅地にキャンピングトレーラーを改造した車両が止まっていた。数時間の作業で、車内の3Dプリンターから仮の入れ歯が現れた。後日、完成品を装着した玉木春枝さん(93)は「ぴったり」と笑顔を見せ、フライドチキンを頬張った。
オーガイホールディングスは昨年設立。車両で巡回し、歯科医療を提供する仕組みづくりを目指している。野田さんによると、入れ歯製作は従来、歯の状態を診てから歯科技工士が手作業で完成させるまでに1~2カ月を要した。3Dプリンターを使えば、口の中をスキャンしたデータを基に専用樹脂を使い、最短1日で可能という。