22日に死去した漫画家ちばてつやさんは、次世代にも大きな影響を与えた。終戦後に旧満州から引き揚げた体験から、平和への願いを抱いてきた姿に、戦争をテーマにした作品がある漫画家武田一義さん(51)は「ちば先生をはじめとする先輩が脈々と戦争漫画を描き続けてきたから、描こうと思えた。自分も後の世代につないでいけたら」と話す。
ちばさんの代表作「あしたのジョー」を読み、小学校時代にはまねてボクシング漫画を描いていたという武田さん。最初の接点は、2016年に発行された「ペリリュー 楽園のゲルニカ」1巻に推薦のコメントをもらったことだった。太平洋戦争で多くの犠牲者を出したパラオ・ペリリュー島の激戦を描いた作品に、ちばさんは「世界中の人々に読んでもらいたい」と寄せてくれた。
武田さんには、戦争体験がない自身に描き切れるのかという不安があった。だが、ちばさんに「体験していない世代が戦争を描くことがすごく大事。本当に素晴らしい作品だから自信を持ってください」と繰り返し声をかけられたことが励みになり、完結できたという。