なぜオスの蚊はメスの羽音に引かれるのか―。名古屋大などの研究チームは、行動の性差を生む遺伝子「fruitless」を特定し、オスのネッタイシマカがメスの羽音を聞きつけて繁殖する仕組みを発見したとする研究成果を28日付の国際誌に発表した。感染症を媒介する蚊の防除に役立つ可能性がある。
ネッタイシマカは、デング熱やジカ熱を媒介する。オスは夕暮れに群れをつくり、約450ヘルツと比較的低音のメスの羽音を聞きつけて接近し交尾することが知られている。メスは羽音に反応を示さず、交尾後ヒトなどを見つけて吸血し、その後産卵する。詳しい仕組みは分かっていなかった。
チームは、ショウジョウバエで神経機能に性差をもたらすことが知られているこの遺伝子に着目。オスの蚊で機能しないように変異させると、群れをつくらずメスの羽音にも反応しなかった。さらに音を捉える耳の機能が大きく損なわれていた。
名古屋大の上川内あづさ教授(神経科学)は「この遺伝子を標的にすれば、繁殖を制御する方法につながるかもしれない」と期待を寄せた。