ドイツのエネルギー企業シーメンスエナジーが北海道恵庭市に風力発電事業の拠点を置く。経済産業省が誘致を主導した。大手商社が洋上計画から撤退したのを機に失速しかけた「国産風力」の巻き返しを図る。投資や雇用を集め、地域振興にもつなげる考えだ。
経産省などが洋上風力発電の投資を集約する「戦略産業クラスター」に北海道と東北、九州の3地区を選んだのを呼び水に、シーメンスの進出が決まった。デンマークの風車製造大手ベスタスも北九州市に組み立て拠点を設ける方針。再生可能エネルギーの「切り札」となる洋上風力の導入へ一助となりそうだ。
ドイツのメルツ首相が28日から来日するのに合わせ、シーメンスは近く拠点設置を公表する見通しだ。経産省は同社と浮体式洋上風力の事業推進に向け協力の覚書も締結した。風車などのサプライチェーン(供給網)の強化や専門人材の育成で連携する。
シーメンスはフィリピンやベトナムなどアジアで風力発電事業を展開する。2027年に恵庭市に施設を設置し、アジア地域で初めての保守・管理拠点とする方向だ。