【ワシントン共同】米新興企業ラジカルニューメリクスは、抗生物質が効かない重い細菌感染症の患者に対し、人工知能(AI)で設計したウイルスを投与したと21日までに発表した。同社によると、人への投与は世界で初めて。論文は発表しておらず、治療の詳細も明らかにしていないが、米紙ニューヨーク・タイムズは「成功すれば、医療におけるAI活用の新たな道を示すことになる」と指摘した。
同社によると、AIで設計したのは細菌に感染し、細菌の内部で増殖するウイルスの一種「ファージ」。患者から採取した菌を標的にするようにし、投与前に試験管内で効果を確認した。
必要以上の使用などにより、抗菌薬への耐性を獲得した細菌が増加し、世界的な問題となっている。特定の細菌に治療効果を発揮するファージを見つけ出すには多大な労力が必要。AI活用により一人一人の患者に合わせた感染症治療に道を開く可能性がある。
深刻な病状にある患者に対し、未承認の医薬品の使用を臨床試験の枠外で容認する米食品医薬品局(FDA)の制度の下で実施したとしている。