「環境保全型農業」と呼ばれる環境に配慮した方法を採用した田んぼでは、希少なカエルなど一部の在来種が増加すると同時に、外来種のアメリカザリガニも増えるとの研究結果を、神戸大などの研究チームが14日までに日本陸水学会の学術誌に発表した。
環境保全型農業は、化学肥料を減らすなど環境負荷に配慮する手法で近年普及しているが、生態系全体への影響を調べた研究は少ないという。今回の研究で、生態系を乱す外来種にも恩恵をもたらし、生物の多様性を守る効果を損なう可能性が明らかになった。
チームは、滋賀県甲賀市で、稲刈り後の冬も水を張ったままにする伝統的な手法を復活させる形で環境保全型農業を取り入れた田んぼと、冬の間は水を抜いて乾燥させる従来型の田んぼを計10区画選び、生物の密度が2017~22年でどう変化したかを比べた。
水を張った田んぼでは、冬に水中で産卵する希少種のニホンアカガエルやトンボ類などが増加。一方、生息できる場が少ない乾いた田んぼであれば数を減らすはずのアメリカザリガニも大幅に増加していた。