宮崎市で2010年に家族3人を殺害した罪で死刑が確定した奥本章寛死刑囚(38)が、福岡拘置所で作画用の筆ペンや皿の使用が認められないのは違法だとして、審査請求を却下した国の裁決取り消しを求め提訴した。5日、福岡地裁(能登謙太郎裁判長)の第1回口頭弁論で「絵で被害弁償したい」と代読で意見陳述した。国側は争う姿勢を示した。
刑事施設で自前購入できる物品は、法務省が訓令で定めている。原告側によると、死刑囚が色鉛筆で描いた絵を支援者がカレンダーなどにして販売し、遺族の支援金に充てていた。訓令改正で色鉛筆が使えなくなり、21年以降、代用品を模索していたという。
訴状によると、23年にカラー筆ペンやパレット用の皿の使用を申し出、不許可となった。審査請求に、国は今年5月の裁決で「指定事業者からの購入に制限している」「法相が定めた品物でない」と退けたとしている。
奥本死刑囚は10年3月に自宅で妻子と義母を殺害したとして、宮崎地裁で死刑判決を受け、14年に確定した。