日本列島への現生人類到達の議論に関わる約4万2300年前の石器が出土した広島県廿日市市の冠遺跡群で、新たに同年代とみられる石器が約150点出土したことが3日、発掘調査をした奈良文化財研究所の国武貞克主任研究員への取材で分かった。
国武氏らの研究チームは2023年から発掘を実施。新たに石器が見つかった今年9月の調査でも旧石器時代の約4万2300年前とみられる地層を確認した。これまで同様に、縁がのこぎりの刃のように加工され、中国など東アジアで見つかる「鋸歯縁石器群」と特徴の似た石器があった。
アフリカで誕生した現生人類は、ユーラシア大陸ではヒマラヤ山脈を挟んで南北二つのルートで東進したとされる。国武氏によると、鋸歯縁石器群は東南アジアなどを経由した「南回り」の系譜を示すという。
「北回り」の石器は長さ10センチ超で鋭い刃がある「大型石刃」などで、中央アジアやモンゴルなどで出土。国内では長野県佐久市の香坂山遺跡で見つかり、約3万6800年前のものだった。