【エルサレム共同】イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ攻撃の冷酷な実態を暴くドキュメンタリー映画「ナザ」が、イスラエルで物議を醸している。同国軍は「虚偽だ」と猛反発し、イスラエル人監督の国籍剥奪も取り沙汰される。監督の家族宅周辺では「裏切り者に死刑を」と叫ぶデモが起きている。
「ナザ」はイスラエル軍内の言葉で、攻撃の巻き添えとなる民間人犠牲を意味する。映画は軍や情報当局で勤務した24人への匿名インタビューで構成され、イタリアで9月に開かれたベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。
ネタニヤフ首相は9月16日、「イスラエル兵を戦争犯罪者として描いている」とX(旧ツイッター)への投稿で映画を批判。「軍の名誉を毀損した」とし、立法により監督の国籍を剥奪する意向を示した。
映画はイスラエルで上映されていないが、10月27日の総選挙を前に反発は政界全体で強まる。
波紋は市民社会にも広がり、監督の一人、ラヘル・ショールさんの両親宅の外では極右らが主導する抗議デモが起きた。