政府は、マネーロンダリング(資金洗浄)の対策強化に向け、法人の「実質的支配者(BO)」の申請を義務付ける新法を制定する方針を固めた。上場企業を除く400万社以上が対象となる。10月5日召集の臨時国会に法案を提出し、2028年春ごろの施行を目指す。日本は先進7カ国(G7)で唯一、関連法が未整備だった。特殊詐欺や強盗に関与する匿名・流動型犯罪グループ(匿流)の取り締まり強化に加え、外国人の土地所有の把握にも役立てる。関係者が29日明らかにした。
法人登記簿には役員などが記載されているが、背後にいるBOの実態をつかむのは困難だ。匿流などが資金のやりとりを見えにくくする目的でペーパーカンパニーの銀行口座などを悪用する例が後を絶たない。
政府は、25%を超える議決権を持つ個人などをBOと定義。株式会社の申し出により、法務局が「実質的支配者リスト」として保管する仕組みはあるものの、任意の制度として運用してきた。
多国間枠組み「金融活動作業部会(FATF)」は、こうした対応の遅れを問題視していた。