「長生炭鉱」の記憶、音楽劇に

劇団「新宿梁山泊」の新作「海底骨歌」=11日、大阪市東成区

 山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」で戦時中に朝鮮人を含む183人が死亡した事故の記憶をたどる音楽劇のツアー公演が大阪から始まった。会場は学校や公園に設営するテント。今なお犠牲者の遺骨が残る宇部市の海岸近くでも上演される。手がける劇団「新宿梁山泊」の代表で演出家の金守珍さん(71)は「海底に沈む骨の声を届けたい」と意気込んでいる。

 1942年2月3日に長生炭鉱で起きた水没事故では遺体はほとんど収容されず、戦後も放置された。91年に民間団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が結成され、2024年に本格的な潜水調査を開始した。昨年8月と今年2月に人骨の一部を回収したが、遺骨の大半は沈んだままだ。

 今月11日に封切られた新作「海底骨歌」は、刻む会の活動を基に犠牲者の「骨」が自らの人生を語り出し、現在と過去が交錯するストーリー。終盤では遺骨の身元が判明する未来を描く。

 ツアーは計3カ所で大阪公演は13日まで。宇部市は21~23日、東京は10月17~28日に上演する。

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