西アフリカの経済大国ナイジェリアで北部を中心に、武装集団やイスラム過激派による身代金目当ての民間人拉致の被害が急増している。地元調査会社によると昨年7月~今年6月の1年間で計7825人が拉致され、身代金計約78億ナイラ(約9億2千万円)が支払われた。子どもらを集団で拉致する事件も増え、治安悪化が続いている。
調査会社は最大都市ラゴスの「SBMインテリジェンス」。8月公表の報告書によると、6月までの1年間の拉致事件数は関連も含めて計1713件。被害者数はその前の1年間と比べて66%増加し、事件に絡み1142人が殺害された。
国内地域別では北西部の被害者数が最多。北東部ボルノ州周辺で主に活動する過激派ボコ・ハラムに、8件の事件で身代金総額の9割の約70億ナイラが支払われた。身代金は公表されないケースが多く、総額はさらに多いとみられるという。
同社の安全保障専門家ケヒンデ・ギワ氏は取材に対し、過激派などは集団拉致で多額の身代金を得られ、活動資金にしていると述べた。状況は「極めて深刻だ」と警鐘を鳴らした。(共同)