高知県沖で浮いていたボトルキャップの内部に、ミミズに似たゴカイやコケムシなど多様な生物が共存する小さな生態系が形成されているのを発見したと、名古屋大などの研究チームが5日までに国際科学誌に発表した。フィリピン周辺から少なくとも70日以上漂流して日本の海域にたどり着いた可能性があることが判明。小さなごみが生物の「船」となり得ることが示された。
海洋ごみの漂流経路をさまざまな手法で解析することで、外来種の侵入経路推定や防除につながると期待される。チームを率いる名古屋大付属臨海実験所(三重県鳥羽市)の自見直人講師は「キャップのような小さなごみでも軽んじず、ごみ箱に適切に捨てることが生態系の保全につながる」と話す。
チームは2023年1月、高知県沖で直径約3・5センチのキャップを回収。フィリピンの飲料会社のラベルがあり、同国周辺で捨てられたとみられる。内部にはゴカイが粘液や小石で作った複雑な巣が広がり、有孔虫やフジツボ、扁形動物など307個体が確認された。日本にはいない種もいた。