北海道内でなじみが薄いとされてきたゴキブリの増加が指摘されている。地球温暖化や屋内の保温環境の向上、通販を介した侵入が背景にあるとみられる。専門家は、札幌市など都市部を中心に繁殖しやすい環境が整いつつあるとして、対策を呼びかけている。
そもそも北海道にゴキブリがいなかったわけではないらしい。俗説が広まった要因に関し、北海道大の西野浩史助教(昆虫生理学)は「本州に比べると絶対数が少ない。夜行性で人目につかず、どういう虫か十分に認知されていなかったため」と分析する。
熱帯から亜熱帯を中心に分布しているが、寒冷地の北海道に生息する種類もおり、西野氏によると、道内で一般的に見られるのはヤマトゴキブリ、クロゴキブリ、チャバネゴキブリの3種。寒さに強いヤマトゴキブリは100年以上前から一部に定着していたそうだ。
ゴキブリの生態に詳しい竜洋昆虫自然観察公園(静岡県磐田市)の柳沢静磨副館長は道内でゴキブリが増えた背景について、暖房設備の高性能化、住宅の高断熱・高気密化を挙げる。寒さに弱い種が居着いたとみる。