シャープは、台湾の鴻海精密工業への傘下入りから8月で10年を迎え、人工知能(AI)を軸に鴻海との協業強化を進める。液晶パネル中心の経営から脱却し、新たな稼ぎ頭となる新規事業の立ち上げを狙う。独創的な開発で評価されたシャープらしさを取り戻し、再成長できるかどうか正念場を迎えている。
「鴻海との関係は変わってきている」。シャープの河村哲治社長は7月、共同通信などの取材にこう強調した。4月の就任後、鴻海の劉揚偉会長との面会でAI関連などの新規事業の創出を目指す方向性を確認した。
両社の連携は、これまでシャープ製品を鴻海が受託製造するといったコスト削減の色合いが強かったが、河村氏が目指すのは共同で事業を生み出す新たな関係だ。6月にはAIサーバーといった新規事業での協業に関する覚書を交わした。
主力だった液晶事業の不振で経営危機に陥ったシャープが鴻海傘下に入ったのは2016年8月だ。鴻海出身の戴正呉氏が社長に就くと、徹底したコスト削減によって一時は黒字転換を実現。