原爆「黒い雨」は強い酸性雨?

「黒い雨」が付着した金びょうぶから切り取った試料。茶色の部分が雨の痕跡=7月、大阪府熊取町の京都大複合原子力科学研究所

 広島市への原爆投下後に降った「黒い雨」を巡り、市内で保管されていた「金びょうぶ」に残る雨の付着痕を調べた結果、びょうぶ表面に貼られた金属の箔を溶かすほど酸化力の強い化学物質を含んでいた可能性があることが5日、京都大などのチームによる分析で分かった。爆発や火災に由来する硫酸などを要因とし“酸性雨”に似た性質と考えられるという。

 チームの向井中研究員(原子力基礎工学)は「黒い雨は複雑な混合物だったとみられ、放射性物質以外の化学物質による健康影響も考える必要がある」と指摘した。

 びょうぶは爆心地から3・6キロの住宅にあり、2022年に広島市の原爆資料館に寄贈。所有者の住民は、爆風で屋根が吹き飛び、部屋に飾られたびょうぶが黒い雨を浴びたと聞いたという。

 チームによると、表面は金ではなく亜鉛の混ざった銅で、雨の付着部のみ銅が消失して光を透過した。何らかの物質で腐食し溶けたとみられ、付着部で検出した元素の分布から、硫酸や硝酸による影響が推定された。銅と硫酸の化合物も残っていた。

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