厚生労働省の専門部会は3日、本人の意思とは関係なく日中に激しい眠気に襲われる睡眠障害ナルコレプシーの新たな治療薬「オベポレクストン」の製造販売承認の可否を審査した。部会の了承後に正式承認されれば、脳の神経伝達物質「オレキシン」の働きを補う国内初の薬となる。開発した武田薬品工業が3月に申請していた。
オレキシンはノーベル賞の有力候補とされる筑波大の柳沢正史教授らが発見した、睡眠と覚醒の調節に関わる神経伝達物質。オレキシンの働きを抑えて睡眠を促す薬は既に実用化されていた。
ナルコレプシーには二つのタイプがあり、オベポレクストンは感情が大きく動いた際に体の力が抜ける発作を伴うタイプ向けに開発された。このタイプの患者は脳内のオレキシン濃度が低下しており、薬が直接その働きを補うとされる。従来は中枢刺激薬で覚醒を促し、症状を一時的に抑える手法などが主流だった。
武田薬品によると、臨床試験では日中の眠気や脱力発作に加え、認知機能や生活の質の改善が確認されたとしている。7月に中国で世界初の製造販売承認を取得していた。