2000年代以降に全国で提訴が相次いだ原爆症認定請求訴訟の原告が、全国で2人にまで減っていることが2日、法務省への取材で分かった。認定基準を満たさないとして、国は毎年200件以上の申請を却下しているが、高齢化や資料の散逸により、裁判で不服を訴える人が減っている。
6日は広島、9日は長崎の被爆から81年。認定を求める全ての被爆者の救済を掲げて活動してきた弁護団の一員は、時間の経過により「裁判を起こすこと自体が難しくなっている」と指摘。「訴訟は他の被爆者への『あきらめないで』というメッセージにもなる」として相談を呼びかける。
国は一定の要件を満たした被爆者に、医療費が無料になる被爆者健康手帳を交付する。さらに、手帳を持つ人に原爆の放射線に起因する病気で治療の必要が生じた場合には月額約15万9千円の手当を支給する。受給には国の専門家会議による原爆症認定が必要だ。
厚生労働省によると、26年3月時点で被爆者健康手帳を持つのは約9万1千人、うち原爆症認定者は4375人。