政府は、医療費の患者負担を抑える「高額療養費制度」の見直しに関するパブリックコメント(意見公募)に約5300件が寄せられたと明らかにした。通常の公募と比べ異例の多さで、自己負担の月額上限引き上げなどへの反対意見が殺到した。だが、政府は当初の方針を修正せず8月から実施した。識者は「民意を聞いたというアリバイ作りだと言われても仕方ない」と批判している。
自己負担の月額上限は、基準額が8月1日から所得に応じて4~7%引き上げられた。
厚生労働省は政省令の決定に先立ち、6月上旬から1カ月間、意見を募り、7月29日に結果を公表した。
寄せられた意見では「経済的な理由で治療や受診を諦める患者が増える」「経済力によって命を選別することにつながるため容認できない」などの訴えが相次いだ。「制度を利用する当事者の意見が十分に反映されていない」「物価が上昇し、家計負担が増えている状況で引き上げるべきではない」との批判も見られた。
一方で「負担能力に応じた制度設計という観点からは一定の合理性がある」と肯定的な声も一部あった。