広島市の松井一実市長は31日、8月6日の「原爆の日」の平和記念式典で読む平和宣言の骨子を発表した。宣言では、現在の国際情勢を念頭に「国際法をないがしろにする大国の横暴な振る舞い」は世界の平和と安定を揺るがし、核兵器の非人道性を軽視することは「第三のヒロシマ・ナガサキを作り出すことになりかねない」と警鐘を鳴らす。
多くの為政者が核抑止力に依存し続け、核兵器なき世界が遠のいていると指摘。核兵器廃絶を願う市民社会を「いつまで失望させるのか」と問いかけ、為政者には被爆地を訪れ、廃絶のための政策を実行するよう訴える。日本政府には、11月の核兵器禁止条約の再検討会議にオブザーバー参加し、締約国となるよう要望する。
一方で、高市政権で取り沙汰されている非核三原則の見直しや、憲法改正の議論については具体的に言及しない。
松井氏は記者会見で「『ヒロシマの心』を共有し、為政者の心に届く社会構造をつくる一助になりたい」と述べた。