太平洋戦争中、米軍の攻撃により沈没し多くの犠牲が出た旧日本海軍の軽巡洋艦「長良」を巡り、大阪市の水中探検家伊左治佳孝さん(37)は21日、熊本県天草市沖の水深約100メートル地点で船体とみられるものの撮影に成功したと明らかにした。「戦後80年で直接の遺族が減る中、写真が語り継ぐ材料になってほしい」と話している。
この日は長良が沈んだとされる同市牛深沖約10キロの海底で大型船を発見し、船の先端付近の状況を約10分間にわたって撮影した。潜水した伊左治さんらによると、大きさや劣化状況から、長良と見てほぼ間違いないという。甲板を上に向けて沈んでおり、マストを支える柱の可能性があるものも確認できた。
沈没で亡くなった艦長の孫、西中誠一郎さん(61)=東京都練馬区=は洋上から調査を見守った。「祖父の死について詳しいことを聞かずに育ったが、長良を知って家族の歴史を意識した。撮影に成功しうれしい気持ちだ」と語った。
画像と映像は遺族や展示施設への寄贈を予定している。