JR東海は18日、リニア中央新幹線静岡工区の着工へ協定を結んだことで、工事に向けた準備を本格化させる。東京都内の事務所でリニア沿線の環境保全策の統括などを担う永長隆昭氏(59)は、静岡県の有識者専門部会で了承された大井川の流量減少対策などを念頭に「長年の議論で培ったことを生かしたい」と語り、万全を期す考えを強調した。
永長氏は6月末まで静岡工事事務所の所長を務めていた。同社が5~6月に大井川周辺8市2町で開いた住民説明会が終了した6月22日、静岡県藤枝市で記者団の取材に応じた。
専門部会は、水資源や生物多様性といった「JRの対策が必要な28項目」について審議を重ねてきた。永長氏は「住民らの不安感が強く、対応をしていく中で時間がかかった」と説明。大井川上流にあるダムの取水抑制による水量の確保などを例に挙げ「新しい基軸の対策を生み出せた」と述べた。
今回の住民説明会で、工事で発生する土の置き場の対策を詳細に尋ねる住民がいたといい「過去に住んでいた場所の近くで災害があったとの話だった」と振り返った。